h_nari @ 熊本市のブログ。電子工作、プログラミング、ゲーム、TV、 政治、インターネットなどに日々の思い付きを、 うだうだ~と書いていきたい。
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コミュニティ・オーガナイジング

コミュニティ・オーガナイジング(Community Organizing、以下COと記す)は 運動を組織し社会の課題を解決する技術。 参政等のDIYスクールは、 COを党員に教育するためのスクールで、 それだけでは見栄えが何なので、 それ以外の講師を多数そろえて様々な 話をしてもらっているが、 通して教育しているのはCOである ... と動画で言っていた。

自分は、お金も時間も惜しいので DIYスクールを受講しないが COには興味がある。 Community Organizing JAPANというNPOが 日本で普及活動を行っている。 登録すれば 教科書のpdfファイルを無料でダウンロード 可能。 ダウンロードしたpdfファイルを読み、 ある程度わかった気持ちになれたのだが、 もう少しまとまった書籍が欲しい。 探すと コミュニティ・オーガナイジングという本がある。 作者は鎌田華乃子氏、Community Organizing JAPANの 理事・設立者。昨年11月の出版で新しい。 318ページでボリュームがあるが 内容は充実していて読みやすい。 ダウンロードしたpdfファイルと重複する内容は少ない。 著者の鎌田氏の経験についても詳しく語られている。

本で多くのページを使って語られているのが 小学5年生の少女、カナメをモデルとしたお話。 カナメの小学校では新任の教頭により昼休みに 読書をすることになり遊べなくなった。 悲しむカナメに近所のユキお姉さんが COを指導し、昼休みの読書強制を撤回する というお話。 クライマックスで全校生徒が昼休み読書を行わず校庭に出て 教頭と対決する。想像するに教頭は 「誰が糸を引き、生徒をそそのかし騒ぎを起こしたのか」 と思ったに違いない。 人々をそそのかし組織化し運動を起こすのがCOの技術なのだ。

強制力が使えない社会運動では人々のやる気が全ての原動力だ。 やる気を引き出すことがとても重要で、 やる気を削がないことも重要。 そのために達成できて効果がありそうな目標を提示する。 多くの人々を巻き込む必要もあるので 4~8人程度の小さいグループを沢山作る。 そのために多くのリーダーも養成する。 そういう具体的な話が本には書かれている。

協力者を作ったり、人のやる気を引き出す技術は 社会運動にだけ必要なわけではない。 人間社会に必要とされる普遍的な技術である。 自分は、この技術に欠けている気がする。 というわけで、この本を特に若い人にお勧めする。

こういう技術は義務教育で教えるべきではないか。 新しい「道徳」みたいな感じだろうか。 議論の仕方、叱責の仕方などいろんな知見を集めて 人間関係工学みたいなものがあれば良いのかも。

議論の仕方や叱責の仕方というのは ロザンの楽屋を見て思いついた。