h_nari @ 熊本市のブログ。電子工作、プログラミング、ゲーム、TV、 政治、インターネットなどに日々の思い付きを、 うだうだ~と書いていきたい。
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税金を下げろ、規制をなくせ

渡瀬裕哉氏の 税金下げろ、規制をなくせ-日本経済復活の処方箋 を読んだ。

内容を要約すると「 税金が上がり続け、規制が増え続けるのが日本経済凋落の原因。 これを変えるには、税金を下げろという集団を形成し、成長させる 必要がある。アメリカは、それができた。」

ほぼ口述筆記で作った本とのことで読みやすく、内容も豊富な本なので ご一読をお勧めする。「2対1ルール」を初めて知った。 今後、この言葉は流行るのではないか。

もう少し内容を詳しく書く。

日本経済凋落の原因

国民負担率(税金+社会保障費)は1970年には24.2% だったものが 2020年では44.6%に増えた。 1970~80年代には1000本前後だった法律数が 約2000本に倍増した(立法爆発)。

こうなった原因を 「利権をよこせ連合」対「税金を下げろ連合」の 戦いという視点で説明すると 「利権をよこせ連合」が政治活動に熱心なのに対し、 「税金を下げろ連合」が形を成しておらず 政治的発言力がまったくないためである。

アメリカの例、保守革命と2対1ルール

アメリカの場合、共和党保守派が税金を下げろ連合。 共和党主流派は利権をよこせ連合。 民主党は利権をよこせ連合。 税金を下げろ連合は 全ての共和党議員に 「増税法案に賛成しません」 という宣誓書にサインさせている。 共和党のブッシュ大統領(パパの方) が増税法案にサインしてしまったため、 1992年の2期目の選挙で共和党保守派は投票を拒否し、 ブッシュは落選してしまう。 しかし、このことにより、共和党は有権者の支持を集め 1994年中間選挙で共和党が下院で40年ぶりに多数を取る。 これを保守革命と呼ぶそうだ。

共和党保守派が最も評価する トランプ大統領の業績は 2対1ルール。 これは規制を1つ増やす場合、 不要は規制を2つ無くさなければならない というルール。 厳密には「新しく作る規制の経済損失は 廃止する古い規制の経済損失以上で あってはならない」というもので、 2017年~2019年の実績では 新設1個に対し8個の規制が廃止されている。

減税して大丈夫か

高齢化社会の進行、社会保障費の増大のなかで 減税して大丈夫なのかという意見に対し、 渡瀬氏は以下のように述べている。

  • 減税運動を進めても、増税を少し止めるのが 関の山で、本当に減税できるのは相当先の話なので 心配する必要は無い
  • そもそも、徴収できる税金に合わせた支出にすべき。 今は、いくらでも増税できてしまうので、 無駄な支出が増え続けている。

渡瀬氏の提案

まず、 2対1ルールを閣議決定する。 これは首相が、その気になれば するっとできてしまうのではなかろうか? 河野太郎行革担当大臣のtwitterに誰かメッセージを 送れば乗ってきたりしないだろうか。

政党のルールを変更する。 予備選挙の導入、任期制限(3~5期程度)。 与党では無理だろうから、 セールスポイントが欲しい保守系野党などが 導入するといいのではないか。

あとは地味に「税金をさげろ連合」を作り上げていく。

具体的には、選挙区の議員にtwitter,メール、FAX等で 「減税に賛成ですか。そのために何を、いつまでにしてくれますか」と 質問し、結果を地域に拡散する。 そうやって減税に努力してくれる議員を見極め、 減税派の当選活動と非減税派の落選活動を行いながら、 仲間を増やし、各地域に「税金を下げろ連合」の砦を築いていく。

国会議員よりも 地方議会の方が少ない人数で影響力を行使しやすいので 地方議員をターゲットにしたほうが良い。 地方議員は国会議員選挙の足腰でもあるので、 減税派の地方議員が増えればいずれ無視できなる。

感想

立法爆発とか2対1ルールとか保守革命とか 知らなかったので新鮮だった。 対策(?)は地味で急がば回れ的だが一人でも始められる。

日本経済凋落の原因が政治(増え続ける規制と税金)のせい だというのは言われてみればそうなのだが気が付かなかった。 失われた日本の半導体業界に身を置いていた者としては、 各電機メーカが、それぞれ半導体を作っているというような 業界の体質が問題だと思っていたが、そういう業界で 新陳代謝が起きなかったのが問題なのだと気が付かされた。 アメリカでは、ぼこぼこ半導体会社が入れ替わって行ったではないか。